派遣労働者を路頭に迷わせないためのたった一つの方法

アルファブロガー(笑)ふうに。コトリコさんのエントリにインスパイア(笑)されますた。んで、ブコメに書いたことをもう少し詳述します。
ケーザイ学に「レモン市場」という用語があります。これの説明をします。あ、先に意味を言うと、レモンみたいに酸っぱくて食えない商品の集まる市場、つまり粗悪品が集中して流通する市場のことをそう呼びます。
ときは 1970 年代。アメリカはデトロイトの「ビッグ・スリー」、そう、フォード、GMクライスラーの三社は現場作業員の労働の質の低下に悩んでました。労使間の紛争やサボタージュが頻発するばかりか、現場に酔っ払い作業員がいたりと、まあひどかったとか。
そんなラインから生産されるクルマの質は、推して知るべしです。ちょっと待った!
1970 年代と言えば、生産ラインにおけるオートメーション化が完成形を迎えた時代と言われます。そんな中では、それぞれのパートの作業員が型通りのシゴトをこなしていれば一定の品質の完成製品ができるんじゃねえのか!?
理論上はその通りです。でも、型通りの作業ばっかやってちゃシゴトって楽しいですか?楽しかぁないですよね。そんなこんなで現場のモチベ下がりまくりですよ。「俺たちゃ道具じゃねえ!」ってね。だから労使間紛争やサボりが禿しくなった。
ただ、そんなどうしようもないラインから造られるクルマでも、たまに当たりはあるんです。そういうクルマを運良く掴んだオーナー、そりゃもう嬉しいっすよ。クルマを大事にします。
でも、いぜん不良品が多数派です。不良品を掴んじまったオーナーは、ソイツ、つまり自分の引いたハズレのクルマを中古車市場に早々に投げちまいたいと思いますわな。それも、できれば不良品であることは隠しながら。
かくして品質のいいクルマはなかなか中古車市場に出てこず、逆にカスばっか流通するという事態を招くワケです。
こういうハナシ、中古車を買いたい人がいれば、最初はそれがわかんないじゃあないですか。んで、はじめのうちは進んで買いに行く。だけど、やがて質の悪いクルマがかなりの割合に上るとわかってきますわな。となると、買いたい人の数はとうぜん減ってくる。だから中古車市場も、よりによって質の悪いクルマが大量に売れ残るという最悪の状況になります。
で、タイトルのお話。派遣労働者の質がハナから悪いって話じゃないんで、そこんとこヨロシク(死語)。でも、能力が相対的に高いヤツが正社員に登用されると仮定するなら、相対的(あくまで相対的ですYO、相対的。何度でも繰り返すけど)に能力が劣る層が派遣というカテゴリにシワ寄せされちまう。
で、そんな派遣労働者が、運悪く作業現場でミスしたりしますわな。そういうことがあると、派遣労働者たちの評価は引きずられるように悪くなっちまう。悪いやつぁ目立つモンです。それに今の不景気が追い討ちを掛けます。ロクなモンじゃない。
じゃあ、派遣労働者をシゴトからあぶれさせないようにするにはどうすれば良いか。それは、コレです。
派遣会社は、正社員の紹介・斡旋、および出向業務を行なってはならない。
あるいは逆に(「たった一つ」じゃね〜じゃんw)、
人材会社は、職業の紹介・斡旋および出向業務につき、正社員と派遣社員を区別してはならない。
コレですよ〜。これを「レモン市場」のハナシに当てはめれば、運良く質のいいクルマを掴んだオーナーが中古車市場にソイツ、つまりクルマを流通させないことをあきらめさせるっつーことになります。そうすることで、派遣も正社員も同じ労働市場に参加できるようになります。逆に労働力需要がなくなれば、派遣も正社員も等しく淘汰される。
とうぜん、派遣会社/人材会社は派遣労働者にちゃんとした教育を施す義務を負います。これで、派遣される側、つまり作業の現場(の企業)の側が派遣労働者のクオリティ(笑)に予め気をもむ必要もなくなります。
いかがっしょ?ネガコメ上等、DIS り歓迎っす。